しかし、それから5年。
「バケーションタウン」構想は、「誰も信じていない」構想で終わることなく、いよいよ本格的に動き出したのです。
この間の5年について浦﨑社長は、こう話しています。
「もちろん何もしてこなかったというわけではなくて、バケーションタウンの実現に向けて、5年間かけて工事実績を積み重ねてきました。この間の事業が認められて、行政や銀行など関係各所から信用を得られました。そうしてこのたびようやく実現の運びとなったのです」
約1,000坪の土地に1階、2階にそれぞれ5テナントの入居を予定。
建物はL字型で、核となるのはもちろんプール。すべてのテナントからプールが見える。
プールサイドには大型のディスプレイが複数並ぶ。イベントも可能だという。
「めっちゃおしゃれなプールを見ながらオムライス食べるねんで。プールを見ながら美容院、フィットネスも。そういうイメージを持っています。
ジャズコンサートなどもいいですね。神戸はジャズのまちですから。
一般のお客様にとっては見るためのプールなのですが、テナント入居の皆さんには、施設の閉店後に、ナイトプールOKのような特典はあっても面白いかなと思っています。
この施設もまた「展示場」としての役割を果たし、わくわく感を共有しながら、商業施設やまちづくりに関心のある人に広げていきたい。
神戸らしいおしゃれなまちを生み出しますよ!」と構想はどんどん広がります。
次々とアイデアが湧き尽きることのない浦﨑社長。
最後に、その源についてうかがいました。
「アイデアというのは経費がかからない。アイデアを思いついたら、結果が出るまでがんばるだけです。そしてリスクをとる。例えば、買い手がつくのを待ってから建設するなんてことを待っていたら、新事業が始まらないわけです。リスクを背負っていく。限界を少し超えたところで事業を行いリスクを取り続ける。失敗も多いですよ。それも乗り越えて次に向かっていく、それが大事だと思っています」
「バケーションタウン」は、来年のゴールデンウイークごろに完成予定です。
(第10部 了)